























台湾で初めての城となる「熱蘭遮城」が1642年、オランダ人の手によって建設されました。それがいまある安平古堡です。ここはかつてオランダ人による統治の中枢とされ、対外貿易の中心地でもありました。もともと安平古堡は正方形をした内城と長方形の外城から構築されていました。しかし、1661年、鄭成功がオランダ人の手中から台湾を奪回し、故郷を記念してこの地を安平と改名しました。「王城」または「台湾城」と呼ばれていたことから、俗称、安平古堡ともいわれます。清代の康熙年間には、台湾は正式に清朝の勢力下に収められ、政治の中心も府城に移されました。そのため、中枢としての機能は次第に失われ、赤レンガの城壁も億載金城を建設するための資材として取り壊されました。日本統治時代には、内城のオランダ風建物のすべてと周りが赤レンガのかけらで造られたという正方形の舞台、西洋風の部屋が税関の宿舎として使われました。いまでもカジュマルの枝がからまり、赤レンガが色あせてまだらになった70メートル余り続く南側の外城の壁跡が残っています。300年もの長い歳月を生き抜いてきた遺跡は、世の中の移り変りが激しかったことを語っています。
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